自然栽培とは
健康志向が高まることで、「自然栽培」という言葉を目にする機会が増えました。
なんとなく「体によさそう」というイメージはあるものの、くわしいことはわからないという方が多いかもしれません。
そもそも「自然栽培」とはいったいどういうことなのでしょう。
カンタンに言うと、肥料や農薬を使わない栽培方法のこと。
農業栽培を行う際、一般的には、利便性や効率化を図るために肥料や農薬を使います。
害虫や雑草を取り除くために農薬を使用し、植物をより大きくより美しくより多く育てるために肥料がを与えます。
それらによって、安定的・効率的に栽培が行えるからです。
ところが、「自然栽培」は、肥料や農薬を一切使いません。
肥料や農薬に頼ることなく、栽培植物と土の本来持つ力を引出し、自然の恵み生かし、生態系を壊さず自然に負担をかけず栽培を行います。
本来、人の手が入らない場所では、肥料も農薬もないのに、草が生え、木々が茂ります。
それは、自然界の力を活用することで、植物が自ら栄養を得て自生しているのです。
自然と向き合い、自然の法則に従う。
人為的な手を加えず、自然を敬い、自然に寄り添い、自然の力を引き出すことによって永続的な農業を実現する。
それが「自然栽培」です。
肥料や農薬を使わずに栽培するために
「自然栽培」の意味はわかったけれど、本当に肥料や農薬を一切に使わずに植物や野菜が育つのか?という疑問が出てくることでしょう。
結論から言うと、「自然栽培」でも必要な条件をそろえることで立派に育てることが可能です。
土の持つ本来の力を引き出すため、多くの労力と時間をかけて農家は土づくりを行います。
作物が育つ土の3つの条件とは、「柔らかいこと」「温かいこと」「水持ち・水はけがよいこと」。
そのためには、土にとって余計なものを入れないことが重要。
過去に使用された肥料や農薬が土に残っていると、土の持つ本来の力が発揮されません。
残留しているこれらは「肥毒」と呼ばれ、硬く水はけが悪くなり、病原菌が発生しやすく、太陽のエネルギーが届きません。肥毒を取り除き、土の団粒化を促進します。さらに、土の腐食化をすすめ、土を豊かにつくりあげていくのです。
手のかかる自然栽培は、まだ発展途上の栽培法ですが、健康志向のニーズから人気が高まり、試行錯誤を繰り返しながらも生産量を伸ばしている農家が増えてます。
自然栽培のメリット
①安全性が高い
人工的な肥料や農薬を使わないため、安全性が非常に高いことが何よりのメリットといえます。
②しっかりした味わい
肥料や農薬を使わず自分の力で成長するため、風味があり、しっかりと本来の味わいを楽しめます。
シンプルでわかりやすいメリット。だけど、とても大切なこと。
それは「安全」で「美味しい」ということ。そして、それは豊かな暮らしへつながることを意味します。