なぜ自然栽培なのか
「自然栽培によるお米やお野菜は美味しくて安全」
簡単に言ってしまうとこの一言に尽きるのですが、奥の深いのが自然栽培です。
なぜ、美味しいのか
なぜ、安全なのか
生産者さんたちの想いを交えて「なぜ自然栽培なのか」をお伝えしたいと思います。
自然栽培は農薬や肥料を使わない栽培方法。(くわしくはリンク)
環境と共存し、自然の力を引き出すことで、永続的な農業を実現する栽培方法です。
農薬や化学肥料を使うと、害虫から作物を守り、人間の都合で生産量をコントロールすることができます。
一見すると、非常に効率的な栽培方法です。
ところが、栄養を与えられ、様々なものから守られて育つので、自分の力を引き出す必要がありません。
言ってみれば、軟弱に育つことで、見た目は整っているものの中身が伴わない作物になってしまう可能性が高いのです。
もちろん、自然栽培では人為的な手をかけないので、季節に合わせた旬のものしか栽培できません。
見た目も揃っていません。
でも、過剰な養分がないので作物から臭いがでず、虫が発生しにくく、土が活性化して元気な土になります。
その結果、旬の作物は、「自然の恵み」がぎっしりと詰まって育つのです。
自然の恵みがもたらすもの
同じ時期に田植えをされた2つの苗。
片方は施肥(化学肥料を与えられた)された一般栽培の苗で、もう一方は自然栽培の苗です。
施肥された苗は、栄養を与えられてぐんぐんと伸びていきます。
一方、自然栽培の苗は、栄養をもらえないので、土から栄養を得るためにどんどん根を張ります。この自根を伸ばすことで、数週間もすれば、一般栽培の成長を追い抜くのです。
また、災害が起こった時、流通や人の手が止まることで肥料や農薬を与えられず、慌てた農家さんが多くいました。
なにか人為的なものに依存する栽培は、それができなくなった途端に栽培が困難になります。
自然栽培が「永続的な農業を実現する栽培方法」と言われるのは、人為的なものではなく、自然の恵みを享受して行われる栽培であるが故です。
選択肢が豊かさをひろげる
化学肥料も農薬もなかった頃は、自然栽培が当たり前でした。自然の恵みを受けた作物を食べてきた時代は、粗食でも抵抗力の強い体が作られました。添加物を排除し、自根を張って自然の力で育った食物は健康な体を作ります。
以前は、お米や野菜をお米屋さん、八百屋さん、スーパーから買うのが当たり前でした。
消費者はそこに並べられたものを選ぶしかなかったのです。
でもいまは、違います。誰が、どんな風に育てたものか、どんなものを口にしたいか、を自分で選択し、ネットを介して遠くで生産されたものでも手に入れることができるようになりました。選択肢が増えるのは豊かさの象徴です。
農薬や化学肥料を使わずに自然栽培に取り組む生産者さんが作られるものは、本当に美味しく、そして安全です。
豊かな自然を守るために、手をかけ、愛情を込めて栽培されています。
いま、何を選ぶのか。本当に大切なものは何なのか。考えてみるきっかけになればいいなと思っています。